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アルパカの紡ぎ心地

ルパカの毛が手に入ってから、すぐに試しに紡いでみました。アルパカの毛は、羊毛より柔らかで軽く、暖かいことは知っていましたが、さらに驚くべき点が多々ありました。

1.梳かなくていい:すでにカーダーをかけてあるかのように一本一本がまっすぐな繊維です。つまり、羊毛のように、いちいち梳かさないでいいのです。

2.洗わなくていい:これは飼い主のハンスさんによるところが大きいのかもしれませんが、とにかくきれい。脂分もまったくないので、私は洗わずに紡ぐことにしました。

3.臭わない:羊毛には独特の匂いがありますが、アルパカは無臭です。

4.毛が長い:毛の長さは紡ぎやすさにつながります。長いほうが紡ぎは楽ですし、スピードを上げてどんどん紡げます。

まり羊毛に比べて、話が早い。昨日毛刈りをして、今日すでに1.5玉紡げました。

もう紡げた

ぎの種類は大きく分けると、梳毛糸と紡毛糸になります。分かりにくいのですが、絵にするとこんな感じです。

っくり言ってしまうと、梳毛糸はピリっとした直線系、紡毛糸はボワンとした丸系。梳毛糸は横並びの繊維をそのまま直線的に絡めて撚りをかけるのに対し、紡毛糸は指に丸めて持った繊維を中から引き出しながら互いに絡めつつ撚りをかけます。それぞれ特徴があって、どちらがいいということはないのですが、技術的には紡毛糸のほうが難しいです。そして、紡毛糸のほうが多く空気を含むので暖かく、軽い糸に仕上がります。なにより、紡毛糸の利点は「どんな原毛でも紡げる」という点にあります。

は紡ぎを東京・吉祥寺にある世界の獣毛アナンダで習いました。紡ぎのことなら何でもお任せのユニークなこのお店のモットーが「どんな原毛でも紡げるようにする」。お店には多種多様な羊毛の他、絹、カシミア、ラクダ、麻などいろいろな原毛が売っています。私は練習の時に、ラクダを紡がせてもらった記憶があり、それを頼りに今回アルパカを紡いでみました。おもしろいくらい、どんどん紡げます。紡毛糸です。

「ひつじ愛好会」の紡ぎ組・組長アンさんは「アルパカは毛がすべすべしているから、紡ぎにくい」と言っていました。それは恐らく、彼女は梳毛糸で紡いでいるからではないか、と思います。梳毛糸だと繊維が直線的に流れていくので、羊毛のように絡みやすい繊維だと問題なくても、アルパカや絹のような繊維はスルッと糸車に吸い取られてしまうのです。その点、紡毛糸だとアルパカでもあまり問題がありませんでした。無精な私は右手をゴミ袋に突っ込んだまま、糸をどんどん継ぎ足して、紡いでしまったくらいです(羊毛でこれをやると、ゴミ袋の中の羊毛がどんどん絡みついてしまうでしょう)。

糸は単糸(一本撚り)のままでも使えますが、たいがいの毛糸がそうであるように、複数本を撚り合わるのが一般的です。そのためには、最低3つのボビンが必要になります。単糸をボビン2つ分紡ぎ、その後で、3つ目のボビンで撚り合わせていくという作業が発生するからです。私はこれまでボビンを一つしか持っていなかったので、撚り合わせの作業がかなり困難でした。

の問題は先日の「テキスタイル展覧会」で解消されました。織りの名人インゲさんが持っているボビンのうち2つが私の糸車のサイズにぴったりで、それをくれたのです。「ええええ!そんなぁ。頂くなんて」と恐縮する私に、インゲさんは「いいのよ。私は8つも持ってるから」。旦那さんのスヴェンさんが木工をやるので、ボビンを作ってくれるのだそうです。ボビンが3つ手に入った私は、その日を境に猛烈な勢いで二本撚りをやっています。

二本撚れました

 

ルパカは紡ぎやすいわ、二本撚りは簡単だわで、どんどん量産できます。紡ぎ終わったら、最後は糸巻き器でくるくる巻き取って、毛糸玉のできあがりです。

 

 

 

稚園で「い~と~巻き巻き、い~と~巻き巻き、引いて引いてトントントン」という歌を習ったときは、意味が分かりませんでしたが、この歌こそ糸紡ぎなのです。引いて引いて、というのは毛に撚りをかけるつつ繊維を手で伸ばしてどんどん引いていく様、トントントンは糸車がコトコトいいながら糸を巻き取る様子を歌っているんだと思います。私の名前がマキだったので、当時、この歌でよくからかわれました。思えばあの頃から、私は糸紡ぎとご縁があったわけです。

毛糸になったSkum Fidus第1号は何か小物を編んでハンスにプレゼントしようと思います。

 

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