りんごの天然酵母

然酵母は何からでも手に入るそうです。試しにこれまでやってみたのところでは干しブドウ、さくらんぼ、木苺、いちごといった面々。今回は、風に飛ばされて落下した庭のりんごを使ってみました。

このような天然酵母は、煮沸消毒した瓶に、フルーツを詰めて水を注ぎ、一定の温度以上でしばらく保管するだけで得られます。素材に付着している酵母菌が適度に発酵するため、腐らないのです。この工程はむしろワイン醸造にも類似しているため、1週間ほど発酵させると、ほんのりアルコール臭を含んだふくよかな香りがします。そのまま食べてもおいしいものではありませんが、体には良いそうです。

もしろいことに、このフルーツを使った天然酵母の作り方は日本ではポピュラーですが、デンマークでは全く知られていません。デンマークでは、天然酵母というと小麦粉と水から作った「サワー種」のことを指します。彼らにとって「サワー種」は国民的な誇りでもあり、フルーツから酵母というのは邪道なのか、今のところ、誰もやろうとしてくれません。

今回、りんごで天然酵母を作ってみて、つくづくデンマーク人は貴重なリソースを無駄にしていると感じました。日本ではりんごに虫がつきやすく、無農薬で栽培するのが困難と言われます。ところがデンマークではりんごはほとんど手間いらず。どこの家の庭にもたいてい大きなりんごの木が生えていて、たわわに実がなっています。秋になると実がボタボタと落下し、「ごみ処理場に持っていかなければならない」とぼやく人もいます。なるべく農薬の少ないフルーツを使って天然酵母を作りたいと願っている日本人が、この落下したりんごを見たら狂喜乱舞することでしょう。

danskehavnのりんごの木はまだ5年目。これからどんどん大きくなって、困るくらい天然酵母を作ってみたいものです。