スポーツ選手はロール・モデルか?

NIKEの広告より

NIKEが、アメリカのNFLプレーヤーであるColin Kaepernick選手をJust do itロゴ30周年の広告に採用して話題になっています。なぜなら、彼はプレー前の国歌斉唱の際に跪いて抵抗の意思を示すなどして、「アメリカ的でない」と避難されている人でもあるからです。一部では、NIKEの広告に嫌悪し、スニーカーを燃やすなど不買運動も起こっているようです。

実は、NIKEが物議を醸すスポーツ選手を広告に起用するのは初めてではありません。以前、バスケットのCharles Barkley選手はNIKEの広告で「I am not a role model」と言って、世のお父さん・お母さんを動揺させました。Barkley選手のメッセージは明解で、「ダンク・シュートができるからといって、それで子供の手本?おかしくないか」ということです。

このニュースを聞いていて、思わず頭に浮かんだのが、デンマークのサッカー選手、Nicklas Bendtner。若いころから、世界トップ級の実力と期待されてきましたが、素行の悪さやトレーニング不足などから、その持てる力を発揮することなく現在に至り、既に30歳。一時は英国プレミア・リーグのアーセナルで活躍もしましたが、現在はノルウェーのサッカー・リーグでプレーしています。

ベントナー(BTより)

デンマークのナショナル・チームで何度もプレーしているので、日本でもご存知の方も多いと思いますが、このBendtnerの人気のないことといったら、この上ありません。なぜなのでしょうか。探したらリスト(デンマーク語)が出てきました。2013年のリストなので、この後も悪行が続いたかもしれません。女たらし、スピード違反、泥酔、暴力、住居破壊。2012年のヨーロッパ選手権では企業名の入ったパンツを故意に見せて罰金と出場停止を受けました。

スピード違反で捕まったときに乗っていた車は、アストン・マーチン、アウディQ7、ポルシェ。走りたくなる気持ちも分かります。若いころに巨額のお金を手にして、嘱望された未来を駄目にしてしまったケースなのでしょう。

さて、このようなBendtnerがナショナルチームでプレーすることは許されないのでしょうか。スポーツ選手が子供達の憧れであり、規範たるべき存在である、との議論は理解できます。しかし、スポーツ選手も人間。彼らに、清廉潔癖で「デンマーク的」なロール・モデルを期待するのはどうなのか。私はスポーツ選手としての本業を全うして、デンマーク・チームをもう一度、ヨーロッパのチャンピオンにしてくれたら、それでいいのではと思ってしまいます。

追記:2018年9月9日深夜にタクシー運転手に暴行したとして、ベントナーが記者会見を開きました。ノルウェーのチームでのプレーは続きますが、デンマークのナショナルチーム入りはこれで絶望的となりました。