日照り続きで染めはお休み

めたいけれど染めができません。日照り続きの夏だったからです。

染料液を取るためには、植物を大鍋でグラグラと長時間、煮込む必要があります。私はこの煮込み工程にかかるコストを最小化するため、庭で廃材を燃やすことに決めました。廃材はごろりと横たわり、大鍋は蚤の市で10kr(170円)で購入し、染めに使う植物の採取は着々と進み、それなりになんとなく準備は揃いました。焚き火用のストーブ台は直径80㎝はありそうな大物で、その上に乗せる金網がないので、親戚に頼んで作ってもらう手立てをしました。

        廃材

ころが、デンマークの今年の夏は、日照り続き。畑も庭もカラカラに乾き、芝生も雑草もカサカサと音を立てるほど。政府は「焚き火禁止令」を敢行し、島では夏の間ずっと焚き火はおろか、バーベキューもできないことになってしまいました。スウェーデンで森林火災がありましたが、いったん火の手が上がると、なかなか鎮火できないものです。火災は恐ろしいものです。

焚き火用のストーブ

って、庭の焚き火で大鍋をグラグラ、というプロジェクトも延期せざるを得ません。廃材はごろりと横たわったまま。大鍋はいまだに活躍の時を見ず。焚き火用のストーブも庭の隅でじっと待機中。植物は冷凍庫に入れて保存。金網のおじさんだけが、図面で打ち合わせをしなきゃと張り切ってくれています。

どんぐり

になり、最近しとしとと雨が降るようになりました。「焚き火禁止令」は解除されたかもしれません。それなのに染めようとしないのは、単に私の怠慢です。

Tagrør 蘆

お、染めに使う植物は国によって異なるようです。アメリカの植物染めの本を購入してしまいましたが、西部劇に出てきそうな北米の草は、デンマークでは手に入りません。デンマークで使う植物の情報は主にインスタグラムで収集しています。日々フィードされる草の写真で季節の移り変わりを知ることができて、なかなか風情があります。7月下旬から徐々にTagrørという蘆の一種が登場し始め、それと同時期にrejnfanというタンジーの黄色い花がお目見えしました。8月に入り、クルミを採取した、という報告があがり、「どんぐりも今いける」という情報もありました。藍染めも今頃なのでしょうか。この前の週末、藍染めをしたけれど人手が足りず困ったという投稿がありました。

湿地帯の蘆

の行動範囲は極めて限られており、rejnfanを探し求めて歩いていますが、採取に至りません。中部の民家の軒先に生えているのを確認したのみです。Tagrørは水辺に生育とのことで、海辺の散歩途上に見つけました。島の公有地なので採取決行は夜と決め、家に戻ったら、danskehavnの裏の草原の湿地帯にも生えていました。でも、もうシーズンは終わりです。rejnfanはドライフラワーにしておけば、冬に染めの煮出しができて、そのとき得も言われぬ香りが漂って夏を思い出す、と書いている人がいました。ぜひ、来年はそれをやってみたいものです。hyggeの仕方もいろいろありますが、ある人は大鍋で染料をグラグラ煮出す工程を「魔女hygge」と呼んでいました。秋から冬にかけて、ニヤニヤしながら鍋を掻き回す姿は確かに、少し不気味かもしれません。