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島の編み物クラブ

私の作品 右手

私の作品 右手

 

み物は島の女性にとって一番の娯楽といっても過言ではないでしょう。700人のメンバーを誇る島最大の「編み物クラブ」に行ってきました。とはいえ、実働20名程度。隣村の体育館にあるカフェで、12時からのんびりと集います。参加費20クローネ(350円)で誰でも参加できて、コーヒーが15クローネ(260円)で飲み放題、軽食のサンドイッチやケーキも販売されていて、暇な週末にはもってこいです。 私は編みかけの手袋の続きをやります。

すがに島のベテラン群は上手な方ばかり。編み目を見ずに、ものすごい勢いで手を動かしながら、おしゃべりをしています。編み目は見なくても、手触りで分かるそうです。常時3つか4つは平行して編んでいて、会にも複数持ってきている人もいました。「ああ、飽きた。飽きた」といって違うのを編み始めるのです。靴下を編んでいた人は「ああ、飽きた。飽きた」と言いながら、左右交互に編んでいました。

ンマークでは編み目に名前がついていることは知っていましたが、今日は「パール」という名前の編み方を教えてもらいました。表目、裏目を交互に編むとゴム編みになりますが、それを一目づつずらして編むのが「パール」です。クシュクシュっとした感じになり、優しい風合いが出ます。それを正方形に編んで、「古き良き時代の雑巾」というタイトルの台ふきんの編み図ももらってきました。

らに、隣に座っていたおばあちゃんには、編み始めの目の作り方を教えてもらいました。この方法でやると、すでに一目編んだかのようにしっかりした目ができます。そうすると、編み棒でクルクル回って捻じれることがなく、輪編みするのも楽だそうです。これはいい!

 

らに、さらに。向かいに座っていた姉妹のお二人には、「袋編みの編み込みバージョン」を教えてもらいました。普通の編み方だと、表と裏ができます。編み込みの場合だと、表はきれいなパターンができますが、裏は糸が幾重にも渡っています。それを袋編みにすると、表も裏もきれいなパターンが浮かびあがるのです。しかも表と裏とでは模様の色が逆になっていて、とても素敵です。鍋ツカミやブランケットを見せてもらいましたが、厚みもあって、実用的かつ肌触りもよし。どうやって編むのか見当もつきません。私が「棒は何本?」「張り合わせるのか?」と興味津々で尋ねると、余裕の笑みを「うふふ」と浮かべて、「まぁ、こっちにおいで。ここにお座り」と、編み方を見せてくれました。

ごい!一見すると、通常のメリヤス編み方です。ただし、目の数は2倍。つまり表面の分と裏面の分の両方の目が一本の編み棒にかかっています。そして、編むときは、表面の分(1目)→裏面の分(1目)→表面の分(1目)→裏面の分(1目)…といった要領で編み進めます。最大のポイントは裏面の分(1目)を編むとき。このとき、糸を手前に持ってきて裏目編みをするのです。これは自分でもちょっとやってみないと、どういう風になるのか実感できません。おばあちゃんは、スイスイと編み進め「ホイホイホイ。簡単、簡単」とニヤニヤしています。恐れ入りました。

なみに、編み方は「大陸式」「英国式」の二通りありますが、デンマークは「大陸式」です。確かにデンマークは大陸に位置していますから、その名の通りとも言えますが。編み物の歴史も古そうです。おばあちゃん達のそのまたおばあちゃん達が伝授してくれた技術をいろいろと教えてもらおうと思います。

の編み物クラブの人の訪問もありました。こちらは主に、ホームレスや難民など困っている人のためにブランケットや小物を提供することを目的に編んでいるそうです。このクラブの活動はデンマーク全土に広がっていて、ボーンホルム島の支部には15名がいます。クラブで毛糸を無償で支給し、各人が編みたいように編んでいいのだそうです。サイズも色も自由。ただし、手袋と靴下がもっと欲しいとのことでした。こちらのクラブも年に数回集まって編んでいるそうです。聞いたら、場所はペダスカー村でした。村の学校の空き教室を借りて倉庫に使っているそうです。暖房がないので温かい恰好をしてきてね、と言われました。

ちなみにボーンホルム島で確認されているホームレスは一人。村の女性のおしゃべりは、何よりの情報源でした。