痔とKOL

 

の昔の学友、今の甥っ子(※元クラスメートが、自分の叔父さんと私のブラインド・デートを企画してくれて、それが結婚に至りました)は、ちょっと変人。学生時代から日本語を趣味で習っていて、「笑ゥせぇるすまん」を片手に「たてまえ、とほんね、わかります。」とか、「わたしの、かのじょの、おしりは、いちばんです。」などと私に突然話しかけてきて、その度に私を困らせたものでした。その彼が、その時自慢げに話してくれたことの一つに、「生活で頻出する単語は、短くなる傾向がある」。例えば、車。元はAutomobile(オートモービル)だったものが、Car(カー)になった。よく使うから。その他の例、Hemorrhoids(英語)、Hæmorider(デンマーク語)は、日本語では「痔」。一言です。日本語では一言、ぢ。これは日本人がよく使う単語であるから、つまり日本人は「痔」になりやすい。

私は、彼の力説を聞きながら、確かに「痔」と言えば済むところ、Hæmoriderなどと呼んでいては埒が明かないなと思ったものでした。

日、学校の宿題で好きなものを課題に5分スピーチするというのがあって、その準備をすることになりました。私は直感的に頭に浮かんだ「KOL」をテーマにすることに決めました。KOLとは訳すと「慢性閉塞性肺疾患」で主に肺気腫など喫煙を原因とする肺疾患のことを指します。私がKOLを選んだ理由は、私がそれまで聞いたことのない病気であるこのKOL、デンマーク人なら誰でも知っていたことが不思議だったからです。ふと甥っ子の「頻出単語の短縮化」が頭をよぎったのです。日本ではKOLは少ないのだろうか?なぜデンマークでは一般的なのだろうか?

る程度の答えはグーグルで出ました。日本でも「慢性閉塞性肺疾患」は500万人を数える(40歳以上の8.6%)、重大な生活習慣病です。死因では第9位に当たります。それなのに、知名度がそれほど高くないのは、症状が慢性化しながら重症化するため、気づかれにくく、診断が遅れ、治療されるケースが少ないとありました。一方、デンマークではKOLを患っている人は32万人(人口の10-15%)と見積もられ、そのうち治療されているのは10万人。半数以上の16万人はやはり疾患に気づいていないとのことでした。とはいえ、デンマークではKOLは死因の第3位。私が学校でKOLを習って以来、知っている人にKOLを患っている人が3人もいることが発覚しました。やはり、どう見ても日本よりKOLは身近な存在です。

門的なことはよく分かりませんが、病名が単純であれば、身近な病気に感じることは確かです。KOLは一度患ってしまうと、肺の機能が元に戻ることはなく、リハビリで衰退をとどめるのみですが、それでも早期発見されれば、生活の質の向上につながることでしょう。「慢性閉塞性肺疾患」と重々しく呼ぶより、「コル」とでも呼んで「あなた、大丈夫?コルじゃない?」というキャンペーンでも打てば、未病にもつながるのではないかとそんな風に思いました。

それにしても、日本人は欧米人より「痔」になりやすいのでしょうか。甥っ子は正座するからじゃないかと推察していましたが、本当か、私には分かりません。データも調べたことがありません。ただ、一度、旦那に「あなたは、Hæmoriderか?」と聞いたら、恥ずかしそうに「うん」と答えたので、日本人だけではないことは分かっています。

 

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