豚へのこだわり

ンマークといえば、アンデルセンに並んで有名なのが豚。自国の名産だけあって、デンマーク人の豚へのこだわりには並々ならぬものがあります。

豚は安くてうまい

Suhrsホイスコーレで豚の解体授業

ペンハーゲン市内にある料理専門のホイスコーレでは、4月に目玉授業である「豚の一頭、解体」を実施しました。グロテスクかと思いきや、実際は、先生がプロの料理人でかなりイケメンだったのと、豚のお肌とお肉がピンク色できれいだったので、まったく気になりませんでした。

「ここはベーコン、ここはスペアリブ、ここは…」先生が慣れた手つきで、次から次へと豚を部位に分けていきます。実に多彩なお肉の種類!

日本で「豚肉」というとミンチ、ロース、ヒレ、豚バラ、豚もも、豚小間くらいしか思い浮かびませんが、デンマークでは細かく分類すると以下の表の通りです。顔から足首、皮ぎりぎりの脂肪の部分までほとんど余すところなく、といっていいでしょう。

 

ーパーのチラシにも実に様々なお肉が載っています。以下、少し詳細にご紹介します。なお、ここに掲載したブタ君はDen Magiske Griseのものを借用しました。

【Kam】ロースにあたる部分です。通常、塊肉で売っていて、背中のラードのところまで付いています。これに塩をたっぷり振り、オーブンでじっくり焼くとデンマークの伝統的な料理フレスケスタイになります。脂のところがカリカリで、お肉はジューシー。クリスマスには欠かせない一品ですが、薄切りにしてラーメンに乗せても絶品です。

【Mørbrad】テンダーロインです。長細い形で売られています。うまく調理しないと持ち味の柔らかみがなくなってしまいます。私はこれをカレーに入れて失敗しました。

【Kæber】あご肉。Suhrsで先生は「この辺りをイタリアのハムで使うんだよねー。うまいんだよねー」と言っていました。

【Skank】かかとの部分。私のパートナーの得意料理、Gule Ærter(黄色い豆スープ)でこの部分を使いました。脂ノリノリです。彼が東京で初めて天下一品のラーメンを食べたとき、「Gule Ærterだ!」と言いましたが、なるほど、豚骨だから同じなわけです。意外な接点でした。

【シュニッツェル】デンマークではじゃがいもとグリーンピースに、ブラウンソースを添えていただきます。「シュニッツェルの男の子」と呼ばれる付け合わせがあるのも特徴です。「男の子」はレモンの輪切りの上に西洋わさび(細くすりおろしたもの)がアンチョビで巻かれてちょこんと乗っています。

【Ribbensteg】【Nakkefilet】食べたことありません。

【Koteletter】いわゆるカツレツ。もっとも一般的な豚肉。ただし、厚さ2cmのステーキ状でしか売っていません。種類は部位によっていろいろ。豚肉の薄切りが欲しいときは、私はこの部位を半冷凍の状態で薄切りにして使っています。ちょっと日本のと比べると脂身が少ないです。

【Bryst】バラ肉の薄切りはカリカリにグリルして食べます。この時期、りんごの付け合わせと一緒に食べることが多いです。

【心臓】食べたことありません。レシピで見る限り、煮込み料理に使っているようです。

【レバー】こちらでは豚レバーを使ってレバーペーストを作ります。下処理が大変なので、すぐに使えるようになったパックも売っています。レバーペーストはオープンサンドの準主役級なので、スーパーに行けば出来合いのものが沢山売っています。だけど、やはり手作りには適いません。焼きたてのアツアツが一番だと思います。

ンマークで食べる豚肉は安くておいしいです。牛肉はおすすめしません。ちなみに食用豚は室内で飼育されているため、島を走っていてもお目にかかることはありません。ただし、臭いがします。また、夏はレストランやパーティーで豚の丸焼きをやっていることがあります。これは間違いなくおいしいです。残りものを持ち帰り、次の日にぶつ切りにして、同様に細切れにしたジャガイモと一緒に炒めて、目玉焼きを乗せて食べましたが、これまた美味でした。これはれっきとした「Biskemad」(細切れ飯)と呼ばれる残り物メニューです。豚肉とジャガイモの二大・デンマーク名産が相まって、シンプルなのに飽きません。あまりのおいしさに我が身がブタ君のようにならないよう、気を付けねばなりません。