スウェーデン政権 続報。

2018年の9月にスウェーデンの総選挙で極右政党が台頭し、連立政権の樹立が混迷を極めてから、すでに4か月が経ちました。つまり、4か月間、政権が定まらなかったわけです。ここにきて、ようやくスウェーデンの新政権が誕生しそうです。

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単に9月の総選挙をおさらいしておくと、各ブロック/各政党の得票率は以下の通り。

 <赤・緑ブロック(41.3%)> 社会民主党 28.3%、左8.0%、みどりの党4.4%

 <アリアンス(41.0%)> 穏健党19.8%、中央党8.6%、自由党5.5%、キリスト教民主党6.3% 

 <極右政党(17.5%)> スウェーデン民主党17.5% 

こからスタートして、どう政党をシャッフルするか?パズルのような数合わせが始まります。前提は「スウェーデン民主党とは手を組みたくない」です。さてさて。

ウェーデンでは、国会の議長が首相候補を提案し、議員による投票で採択するそうです。これまで議長の提案が否決されることはなかったのに、今回の連立騒ぎでは2度も否決されています(2018年11月と12月)。やっと3度目の提案がまとまったのが、先週の金曜日(2019年1月11日)。なんと、びっくり。手を組んだのは、社会民主党、緑の党、中央党、自由党の4つ。みごとに既成のブロックが瓦解してしまいました。怒ったのは、左党。なぜなら、新連立政権(候補)が「左党には政治的影響力を与えない」と言っているからです。さらに、<アリアンス>のリベラル派が求める「累進課税の緩和」を社会民主党が飲んだからでもあります。

ウェーデンはOECD諸国で最も累進性の高い税制をとっていて、もっとも税負担の高い層(つまり、最も高所得層)は、503,000デンマーク・クローネ(835万円)を超える所得に対し、70%もの税金を払わねばなりません。この70%の税率を下げようと訴えるのが<アリアンス>。しかし、高税率は北欧の旗印、特に社会民主党や左党にとっては絶対に譲れないポイントなのです。その税率引き下げに応じる(構えを見せた)社会民主党は、デンマーク人の私のパートナーにとっては驚きなようです。それだけ、スウェーデンの政権発足が喫緊の課題であることが窺われます。

雑なのは、もし、この連立案を左党が否決した場合です。3度目の議長提案否決となり、残るチャンスはあと1回となります。最後の議長提案が否決されたら、あとはまた総選挙をするしかありません。本来は、今日(2019年1月16日)に議長提案の議決予定でしたが、金曜日(2019年1月18日)に延期されました。議長曰はく「社会民主党と左で話し合って、なんとか48時間以内に妥協案を見出してくれ」。結局、どうも左党が白票を投じることで決着しそうです。

やはや、民主主義もここに至ると、どうなんだと考えさせられます。しかも、このような数合わせ、妥協案、制限時間、否決・・・という事態はスウェーデンのみならず、折しもBrexitで騒がしいイギリスにもそのまま当てはまります。デンマークももちろん、例外ではありません。デンマークの場合、特に1992年のマーストリヒト条約批准の拒否、という事態があったことが思い出されます。デンマークがマーストリヒト条約の批准までのプロセスはとても興味深いので、別の機会にまとめたいと思います。

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