島に鉄道が走ってたころ

本にも島はたくさんありますが、そのうち鉄道が走っている/走っていた、という島はいくつあるのでしょうか。以前、私はなぜか、島に鉄道という発想がまったくありませんでした。鉄道というのは大陸を横断したり、東京と大阪を結んだり、フィヨルドの横のきわきわを走ったり、なんとなく空間的な広がりがあって、初めて成立するような気がしていたのです。ですから、島という閉鎖的な場所に鉄道が走っている姿を想像するのが困難でした。

ころが、私はボーンホルム島に着いてすぐに、古い中央駅の建物があることに気づきました。島に鉄道が走っていたのです。

Rønne中央駅

に鉄道が敷設されたのは1900年。島をまっすぐ西から東に横断する鉄道でした。私が住んでいるペダスカー村はその中継地にあたります。駅が建設されたことをきっかけに村が発展したと聞きました。その鉄道も1968年に廃止。今年がちょうど廃止から50年の記念の年になります。

 

道が走り始めた1900年は産業革命から50年から100年ほど経たあと。それまで馬や人力でやり繰りしていたものが機械化され、島の生活も大きく変化したことでしょう。しかしその8年後にT型フォードが量産化に成功、あっという間に車社会の到来を迎えることになります。そして車が普及するとともに、村はさびれてしまいました。

は、なぜかとてもこの島の鉄道に惹かれます。鉄道が駆け抜けた約70年にペダスカー村の歴史も凝縮されているからです。電車が走り、駅に集う。畑を電車が横切る。電車の窓に海が見えてくれば終着地点が近づいた印。かつて、島に鉄道が走っていた…。不思議な感覚は今もありますが、どこか懐かしさを覚えながら、島の鉄道を想像しています。(写真、ともにEVP ホームページより)